DP1xの封印を解くなどする
つま用に買ったシグマDP1xというカメラ。
数年前のチェコ旅行以外ほとんど使っていない。
あまりにも遅く、低感度でしか使い物にならないからだ。
その日は強烈な光が降り注いだ日だったから、
写真の角度にまで陽が傾くのを待ち、DP1xの封印を解くなどした。
アスファルトの断面が見えているようだと感じた。
広角はとにかくパースがつくのが楽しかった。
布に光が当たっているだけの写真集を作りたいくらいその光景が好きだ。
こんなに廃屋らしい廃屋には中々会えない。
魔法の時間は自分の影も映りこみやすいけど、まあいいかと思った。
汚い袋、だけど、清く正しく劣化していっていると感じた。
夕方の青空というだけで泣けてくることがある。
しかし、この日は別に切なくはなかった。
力の安定のために物質は集まり天体を作る。
燃える天体から生じたエネルギーもまた安定的な経路を通る。
その結果、天体は丸く、放射される光もまた総体として球形となる。
光を食う生き物はまるでそれを模倣するかのように、円を描く。
それが最も効率的であり、効率であることが彼の生を安定させる。
全てが安定になった宇宙には、おそらく、生は無いのだけれど。
白黒にしてもクリアな絵を吐く良いカメラであった。
キレキレだから見ていて疲れる画像では、あるけれど。